「姿勢を良くしようと思って、骨盤を前に倒すよう意識している」「胸を張って、腰を反らせるように立っている」
一見すると“良い姿勢”を意識しているように見えますが、実はこの意識が原因で、
- 反り腰がひどくなった
- 腰痛が出てきた
- 呼吸が浅くなった
- 立っているだけで疲れる
という悩みを抱えている人が非常に多いのが現実です。
この記事では、
「なぜ骨盤前傾を意識すると不調が出るのか」
「本当に必要なのは骨盤後傾を作れること」
「正しい姿勢を作るための順番」を、一般の方にも分かるように解説していきます。
◆「骨盤は前傾が正しい」は半分だけ正解

よく姿勢指導で言われるのが、「骨盤は少し前傾しているのが正しい姿勢」という言葉。
これは間違いではありません。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。それは 骨盤前傾を“自分でコントロールできる”ことが前だという点です。多くの人は、
1「前傾が正しい」
2「じゃあ常に前傾を作ろう」
3「骨盤が前傾位で固定される」という状態に陥っています。
◆骨盤前傾で固定されると何が起こるのか?
骨盤が前傾位で固まってしまうと、体では次のようなことが起こります。
- 腰椎(腰の骨)の反りが強くなる
- 腹筋が使えなくなる
- 肋骨が前に開く
- 呼吸が浅くなる
つまり、見た目は「胸を張った姿勢」でも、体の中は不安定で、無理をしている状態なのです。
この状態がいわゆる「反り腰」です。

■反り腰が引き起こす不調

反り腰になると、
- 腰椎への圧迫が増える
- 腰の筋肉が常に緊張する
- 立っているだけで腰が疲れる
- 慢性的な腰痛につながる
といった問題が起こりやすくなります。さらに、肋骨が前に開くことで息を吐き切れず、呼吸が浅くなるという影響も出ます。
呼吸が浅くなると、
- 自律神経が乱れやすい
- 疲れが取れにくい
- 集中力が落ちる
など、姿勢以外の不調にもつながっていきます。
◆姿勢改善で本当に大切なのは「骨盤後傾を作れること」
ここで重要な考え方があります。
姿勢改善において最初に必要なのは
「骨盤を前傾させること」ではありません。
「骨盤を後傾させられること」
これが最初のステップです。

■なぜ骨盤後傾が必要なのか?

骨盤後傾ができるということは、
- 腹筋が使える
- 腰の反りをコントロールできる
- 骨盤の位置を自分で調整できる
という状態を意味します。逆に言うと、
骨盤後傾ができない人は骨盤を前傾させると、そのまま止まれなくなるのです。
これが「姿勢を良くしようとして反り腰になる」最大の原因です。
◆正しい姿勢は「前傾か後傾か」ではなく「行き来できるか」
良い姿勢とは、
常に前傾している状態
でも
常に後傾している状態
でもありません。本当に大切なのは、
骨盤を前傾にも後傾にも動かせて
その中間で安定できることこの「コントロールできる中間位」こそが、体に負担の少ない正しい姿勢です。

■順番を間違えないことが重要

姿勢改善の正しい順番はこうです。
① 骨盤後傾を作れるようになる
② 腰の反りを一度リセットする
③ 呼吸が深くできる状態を作る
④ その上で、必要な分だけ骨盤を前傾させる
この順番を飛ばして
いきなり「前傾が正解!」とやってしまうと、
反り腰・腰痛・呼吸の浅さにつながってしまいます。
◆「胸を張る姿勢」が必ずしも良い姿勢ではない
よくある勘違いが、
「胸を張って、背筋を伸ばす=良い姿勢」という考え方。
しかし、胸を張りすぎると
- 肋骨が前に出る
- 腰が反る
- 腹筋が抜ける
という状態になりやすく、これも反り腰を助長します。
力を入れて作った姿勢は、長く続きません。楽に呼吸ができて、力を入れなくても保てる姿勢こそが本当に良い姿勢です。

◆まとめ:姿勢改善は「骨盤後傾→前傾」の順番がカギ

姿勢を良くしようとして不調が出ている人は、
- 骨盤前傾を意識しすぎている
- 腰を反らせることで姿勢を作っている
- 呼吸が浅くなっている
このどれか、もしくは複数が当てはまります。
姿勢改善で大切なのは、
まず骨盤後傾を作れるようになること
腰の反りをコントロールできること
その上で正しく前傾を使うこと
順番を守れば、姿勢は必ず楽になります。
「姿勢を良くしようとしてつらくなった」
そんな方こそ、一度この考え方を見直してみてください。